ドローン(UAV)と写真加工(オルソ化・3D化)と使っているソフトの話。

 土木系の仕事を普段しているなかで、国交省の基準も策定されたことで導入に拍車がかかりそうな流れの中、測量だけで無く、工事の説明とかいろいろなプレゼンの際にUAVの可能性を感じていた。

 しかし、どの機種がいいのかとか、いろいろ含めUAVそのものに悩んでいた中、Phantom4 proの操作のしやすさや機体やカメラなどの安定性から、これはかなり使えるのでは無いかと感じ、昔のラジコン小僧のころの気持ちがムクムクとわき出てくるのを感じ、業務で購入してもらい、半分趣味状態でUAVの可能性を探っている。。

 ここでの話は、プレゼン用の話。要はあまり精度が必要なく、説明用としてどう使うかなので、それを前提に、

  •  UAVはPhamtom4 Pro + iPad-mini。アプリはDJI GO 4と、DJI GS Proの2種類、
  •  写真撮影アプリはPix4Dなどフリーで使えるアプリも試しては見たが、やはり純正品が一番しっくりきた。GO 4で鳥瞰写真とか、GS PROで定点撮影やオルソ写真の基図材料撮影などに使う。

何をするか、

  • オルソを作って担当する範囲をGIS管理する。平面図の代わりにオルソを使い、その上に工事図面を載せていくなど・・・
  • 3Dモデルを使って立体化して関係者にプレゼン
  • 定点撮影して移り変わりを記録

などなど、いろいろと考えられる。

そこで必要なのは、

  1. オルソの作成と3Dモデルの作成が出来るソフト、
  2. 3Dモデルを画面上でグルグルしてくれるソフトである。
  3. オルソと図面と重ね合わせられるソフト

まず、オルソを作ってくれるソフト(OpenDroneMap)

とりあえず目についたと言うか、必死に探したのが以下。そのほかにもベンチャー系のソフトがどんどん出てきているが・・・・・・

  • Pix4D 高い!ちょっと使うのにはもったいないどころか買えない。フルセットだと何百万円?
  • photoscan まぁ高い。やはり精度を求めてしっかりやりたいときは選択肢の一つ。でも50万くらい?
  • DroneDeploy 無料だけど、ユーザー登録が必要。webベースのクラウド上で計算。しばらく立って見に行くと出来てるよ~っテな感じ。
    でも、こちらのデータはまるで取られている。相手にとってはビックデータだなこりゃ。仕事上のコンプライアンスからいうとちょっと使えないだろうな。
  • OpenDroneMap 無料のオープンソースLinuxベースで稼働。私はMS-DOS世代の人間(歳がバレる!)なので、真っ黒な画面でコマンドラインは抵抗ないが、最近の人は使えないのでは・・・ちなみにWebベースでUIを担うnode-OpenDroneMapと言うのもある。OpenDroneMapのフロントエンド。コマンドラインよりは今の人には分かり易いかな。
  • おまけ(ImageComposeEditor) マイクロソフトのパノラマ写真作成ツール。試しにドローンのデータを使って加工したらオルソもどきが作れた。ただし出来上がりのデーサイズがでかすぎる。歪みありで精度は無し。貼り合わせは画像データの特徴点から自動的に貼ってくれるので単なるパノラマなら楽ちん。でも隣り合う画像データを順番に指定しないとグチャグチャになった。

結局、有料は高いのと、機能も多く、使い勝手がいろいろと複雑でおっさんには無理。で、OpenDroneMapを使い始めて今に至る。うまいことに3Dモデルも作ってくれたのでこれはいい。

次に3Dモデルをぐるぐるしてくれるソフト(MeshLab1.3.?)

 ずいぶん前の話になるが、これはなかなか日本語対応のものが無く、結局フリーのmeshlabというソフトに行き着く。これが・・・2016.12バージョンが新しいらしいのだが、当方のPCでは動かなかった。も動きました。GeForce 1050Tiのグラボを入れているのが前提。ついでにGeForce社のCUDAをインストールすると良いらしい。

Intel HDシリーズだけだと、データを読み込むと落ちてしまう。グラフィックドライバの相性の問題らしいが・・・そういう人は旧バージョンを使えとのことなので、そういう方向けに ver1.3.4 があるのでインストールしてみたところ、ばっちり動きました。

ただし、両者ではグラフィックの表現力が全然違う。(このブログの別記事を参照してください。)

 なかなかの高機能データの編集も出来るようだが、とりあえずグルグル出来ればいいので、デモ用にぐるぐるしている。

オルソ画面と図面を重ね合わせられるソフト(QGIS2.8)

 公共事業の発注元などでは、土地の権利関係調整のため、一筆管理にArcGISを利用していることがあった。まずはその地図レイヤーの上に重ねて完成後の図面やオルソを重ねて表現力を上げ、利用したいと言うのがあった。

 それに、レイヤーのベースとなる地図などが、今までは25000分の一の地理院地図だったり、地理院のオルソ写真だったりしたので、1/500~1/1000ベースに拡大するとえらくぼやけてしまう。

 次に、ArcGISは高い!職場のPCに何台も導入していたのでは、予算が持たない。そこら中にArcGISを入れてしまうと元データをみんな勝手に改変してどれが本物だかわからなくなる。等々

 と、いうことで、QGISの導入をした。まずフリーソフトであること。ArcGISのシェイプファイルがそのまま使えること。言語系もUTF8とSJISもOK。日本測地系もWGSも平面直角座標系も使える。既にVer3.xが出ているが、個人的には2.8のほうが印刷関係の動きが軽やかなので、2.8を使用している。日々アップデートされているので、そのうち3.xが改良されれば移行する手はある。

 図面と重ね合わせるときはいい加減に設定された平面図を、座標系場所に合わせて変換する必要があったりします。これは、設計時点からたとえば東京ならⅨ系平面座標で設計してもらうとかの工夫をすれば、なんの追加作業もなくQGISに移行出来るのは素晴らしい。

 まぁ、更に言うと、レイヤー毎に分解してQGISに読ませないと、一枚のレイヤーにいろいろなパーツがごちゃごちゃと入ってしまうので、autocad(DXF)ファイルなどで、1ファイル1シート=1レイヤーとしておかないと、後から大変かも。

 ・・・まぁ、ODM+MeshLab+QGISの組み合わせが一番安いですね!